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2026年01月15日
平和と人権を考えるフィールド教育プログラム②
広島プログラム

「平和と人権を考えるフィールド教育プログラム②広島プログラム」の報告です。
2025年8月28日(木)~30日(土)まで、本学科2年次生が、原爆被害者の方の証言をお聴きするため、、広島県呉市、広島市を訪問しました。
戦後80年の今年は、戦争を振り返るニュース報道、会議、イベント等、多数行われました。1945年8月6日午前8時15分、人類史上初めて、広島市上空550mで原子爆弾が炸裂しました(8月9日午前11時2分長崎市)。たった1発の爆弾で、その年の末までに約14万人が犠牲になったと言われています(長崎約7万4000人)。また、放射線による原爆症の発症等で多くの人たちが苦しみ続けました。原爆被害者の人たちは、現在9万9130人(被爆者健康手帳所持者)、平均年齢86.13歳となっています。年々被爆された方が亡くなられ、今の若い人たちが直接被爆された方の証言を聴くことのできる最後の世代と言われます。
修学旅行で広島を訪ねることが多いですが、本格的に福祉やリハビリテーションを専攻するようになって、あらためて広島を訪ねる意味は大きいと思います。平和と人権は、社会福祉とリハビリテーションの基本的な価値であるからです。


1日目は、映画「この世界の片隅に」の舞台となった呉市にて、海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)、海上自衛隊基地を視察。2日目は、広島市の広島平和記念公園にて、原爆ドーム(元広島県産業奨励館)、原爆の子の像、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館、そして、広島平和記念資料館、公園に隣接する本川小学校平和資料館等その他数々の慰霊碑・記念碑をまわりました。

3日目は、被爆されたお二人の女性にお会いしました。お一人が川下ヒロエさん、もうお一人が古家美智子さんです。お二人の被爆の証言、戦後の暮らしの語りをじっくりお聴きしました。また長年月、証言の会を企画運営され、被爆された方の医療相談を受けてこられた、原爆被害者相談員の会の医療ソーシャルワーカーの方も同席され、意見交換し、交流しました。
以下、参加学生の報告レポートから感想、考察を抜粋します。
「自分たちが今、仮に平和であると感じているその裏側で、犠牲を払ってきた歴史があったのではないか、事実を知ることが大切である。ミクロの視点だけではなくマクロの視点も持ち、すべての人がごく普通の生活を当たり前に送れるような社会を目指したい」 (石井美愛さん)
「人権の尊重という視点を一番に重んじるべきだと強く思った。今、私たちが何気ない日常生活を送れているとすれば、その生活の根底には平和があることを忘れてはならない。平和な社会を推進できるソーシャルワーカーになりたい」(松尾采苗さん)。
「核兵器がない未来を目指す被爆者。核兵器禁止条約に批准しない日本の現状。とても大きな壁である。様々な社会問題、事実、現状を把握し、平和な社会において、クライエントのより良き生活を支援するソーシャルワーカーになりたいと考える」(野村美咲さん)
わが国は世界で唯一の被爆国。実際に現地を訪ね、当事者の声に直接耳を傾けることを通して、平和と人権、福祉の関係について、体験的に学んだ3日間でした。
(文責:奥西)